【隠された損傷】

  • 2009.06.28 Sunday
  • 11:44
JUGEMテーマ:事故車修復歴車

車体の外装を補修したり、骨格部位を修正したりした場合、一見何の変哲も無く見えますが、何らかの形跡が残ります。その形跡を元に、事故歴のダメージ程度や修復の程度を見極めるのが、オートオークション検査です。この検査は、陸運支局で行う車検のように、検査員が機関系(動力伝達装置や制動装置など)などをチェックするのではなく、主に車体の骨格や外装のチェックに重点が置かれ、採点されます。この検査は、オートオークション検査員が行い、ほぼ肉眼で外装の板金塗装の有無や、隠れた車体内部の骨格部位の修復を見つけ出します。


オートオークション検査員は、国家資格があるわけではないので、力量だけが全てです。検査に対する執着や経験、スピードなどがものを言う世界です。買取店などの社員レベルや査定スピードで検査していては、夜までやっても半分の台数しか処理できないのです。

そして、雇用体系においてはパターンがあり、1)オークション会社の社員2)陸送会社の検査部門社員3)車輌検査会社の社員4)衛星TVオークションなどは、委託検査員、などですが、能力に関しては差は無いと思いま。検査された車輌の特徴は、検査員によって出品票に記載され、オークションデータとして業界にネットで配信されます。一般の方は見ることはできないのですが、見本は下記にリンクしました。

そこには、高い技術力のある修理工場で、修復歴をみごとにカモフラージュした車輌の詳細までが、あばき出されます。もちろん、修理工場の修理技術もピンからキリまでありますので、ずさんな修復を行い、検査員に「修正ヒズミ」と記載されるような車輌もあります。「修正ヒズミ」とは、簡単にご説明しますと、「直したんだけどキチンと直っていません」という意味になります。こんな車輌もいっぱい中古車市場に流通しているのです。

何も、商品価値を見抜く眼力が必要なのは、オートオークション検査員だけではありません。中古車にお金を払って購入する(仕入れる)人全てに必要なのです。
 


【修復歴車の定義5】

  • 2009.06.10 Wednesday
  • 00:21
JUGEMテーマ:事故車修復歴車
 

◆災害車や接合車◆

 

修復歴車に準ずるカテゴリーに、災害車や接合車、雹害車や水没(冠水)車などがあります。最もポピュラーなのが、雹害車です。これは、ネーミング通り車体に無数の雹がぶつかり、外装に細かい凹が数十〜数百とできてしまった、いわば天災による被害の最たるものです。なにも雹だけではなく、木の実や建築物の上階部からの土砂の落下などでも、同じ被害は起こります。極端な話、子供にゴルフーボールを車体に何十回もぶつけて遊ばれてもできるわけです。しかしながら、雹害車であるとの判定も、凹の数が無数になければいかないのと、パネル面が上を向いている部分(ボンネットやトランクリッド、ルーフ)のほとんどに、損傷を認められなければ、軽々しく雹害車であるとの判断はできません。損傷状態がひどいものにおいては、側面のパネル(ドアやフェンダー)などにまで、凹が発生している車もあります。

 

 IMG_0136.jpg

 

 ※小さな無数の凹を、広範囲に画像として捉える事は難しいのですが、部分的に写りましたので、全体がこの様なた感じだとイメージてください。

 

IMG_0137.jpg

 

 

 

自動車メーカーのモータープールを直撃した雹によって、被害を受けた新車が、業者販売などを通して、損傷の受けたパネルを交換して、市場に出回る事があります。まさに、雹害をカモフラージュしてできあがった、高年式中古車となるわけです。この場合、ルーフ交換をするものもあるので要注意です。最初からご説明してきた修復歴車の定義には、ルーフ交換という項目もあったように、商品価値が急降下しますので、ボンネットやトランクリッドを交換している車は、ルーフ交換も疑ってください。ルーフ交換の発見の仕方は、先の第3章にてご説明させていただきます。

 

ニコイチって聞いたことありますよね? 

 

サンコイチなんてのもあるんですけれども、【接合車】の基本は2個1>ニコイチです。これは事故などの理由で、使用できなくなった車体の、損傷を受けていない部分をどうしをつなぎ合わせて、一台の車両を作成したもので、大きく分けると、下部画像のようにフロアー(床)で横方向で接合しているものや、ピラー(柱)の途中から縦方向につなぎ合わせてるものがあります。つなぎ合わせる部分は、前席の床部分や後席のシート下部分が多いので、疑わしい場合は思い切ってリヤシートを外して見ましょう。

 

 ab10151006_1997011.jpg

 

 

 

nikoitidouga.gif



査定には最強のライトで



【修復歴車の定義4】

  • 2009.06.06 Saturday
  • 01:17
JUGEMテーマ:事故車修復歴車


 

◆災害車や接合車◆

 

 大量の水に浸かった車って見たことありますか?

 

正直私も、浸かったすぐの状態は、まだ見た経験がないです。そのかわり、水に浸かった被害を隠してある車や、浸かったけれど乾燥させてしてしまった車は山ほど見ています。見るというより、嗅ぐほうが多いかもしれません。嗅ぐというのは、車内の微妙な異臭で察知するという事です。これは、鼻をつくような魚の生臭さや動物の臭いとはまったく違うもので、カビ臭です。湿気たような臭いで、鼻の悪い方ですとわからないこともあります。当然、臭い消しでカモフラージュされている場合は、臭いでの発見も困難になる事があります。幸いうちの家系は、嗅覚が良いので助かっています。「カビ臭が強ければ、水没を疑ってよし」が鉄則でしょうか。しかしながら、決め手となるのは、冠水線と呼ばれる「水に浸かった時に、水位がシミになったもの」という感じのものです。シートベルトを引っ張り出して見ると、冠水線が出てくる場合も有ります。

 

imagekansuisen.jpg

 

たとえば、台風の日に長時間サンルーフやドアガラスを開けたままにしていても、室内には雨水がたまります。これは冠水車でしょうか?
これは、たぶん多くの団体がNOと言うでしょう。室内の少々の浸水はあまり重要視されていないようです。しかし、床にはハーネスという配線がありコネクターで連結されていたりしますので、少々の浸水でもコネクターの連結部が錆びる可能性はあります。錆が進行して、信号トラブルによりエンジンが止まってしまう恐れもでてきますが、冠水車との判定は出ないでしょう。
エンジンやミッションが浸水して、室内も冠水線が発生するようなひどい冠水車以外は、オートオークションなどでも簡単に冠水車と認定していません。

 

それと、冠水歴を発見する手掛かりになるのが、車内の金属ブラケットなど、錆安い部品の状態を見ることです。車体自体は防錆処理されてますので、錆は発生しないわけですから、金属むき出しの部分を注目するわけです。それと同時に、カーペット(フロアーマットよりも下)の裏などに土砂が侵入していないかも見るとわかりやすいです。

 

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